解説

【解説】松戸のかるた

平成5年(1993)、松戸市制施行50周年を記念して「松戸のかるた」が作られました。
いろは48組の読み札と絵札の内容は、当時市内に48校あった公立小学校が分担して、それぞれの学区内にある名所旧跡や名物などを元に児童が皆で考案しました。
かるたの箱には、同年に制定された「松戸市民憲章」と、札に読まれた名所等の場所を示す地図が印刷されたパンフレットが添付されていました。

<参考> まつどライフプロモーション「松戸のかるた」紹介ページ

松戸市観光協会では令和6年(2024)、市制施行80周年および人口50万人到達の節目を迎えるにあたり、これまで市民に親しまれ入手希望も多かった「松戸のかるた」の復刻版を製作することになりました。

初版発行からすでに30年を経て掲載内容には変化もありましたが、すでに広く愛用されているおり、カルタそのものに松戸のレガシーとしての価値があることから、内容は初版のままで再発行する方針を採りました。

経年により変化した内容には、あらたに復刻版用の解説を加えて時代の推移を示すこととしました。

「松戸のかるた」の内容は以下のとおりです(解説は復刻版用のものです)。

読み札担当小学校(当時)読み札考案絵札制作題材(場所等)絵札裏説明文(復刻版改訂)
1いいかおり 梨の花咲く 梨香台梨香台小学校山室雅子諸橋康夫梨香台梨香台団地があります。たくさんの観光梨園があり、8月上旬から10月上旬まで梨のもぎとりが楽しめます。
2ろまんちっく 夏にはほたるの 秋山湧水東部小学校田村友佳藤井恵美秋山湧水聖徳学園近くの雑木林の斜面から湧き出ている湧水池です。
3はちのすだ すぐにとび出す すぐやる課北部小学校原 勇士松下和美すぐやる課松本清前市長が「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものはすぐにやります」の精神で市民サービス向上ために昭和44年(1969年)に設置されました。
4にわさきで 江戸川みおろす 戸定館相模台小学校藤井彩野栁 和孝旧徳川昭武家別邸
(戸定館)庭園
水戸徳川家第11代当主・徳川昭武(あきたけ)は明治17年(1884に戸定邸を完成させました。明治の上流住宅がほぼそのまま残り、建物は国指定重要文化財、庭園は国指定文化財名勝になっています。
5ほしながめ 江戸川土手で 夕涼み南部小学校渡邊寛之篠田藍子江戸川江戸幕府が江戸を水害から護り水運の便を良くする等を目的に、承応3年(1654年)に渡良瀬川と利根川の流れを変え、利根川分流の江戸川となりました。
6へいせいに 続くのどかな 矢切の渡し矢切小学校栗田愛子甲斐真由美矢切の渡し徳川幕府は江戸を守るため橋をかけない川がありました。幕府が認める街道の渡しの他にも近在の農民には舟で対岸の耕地との行き来が許され、そのひとつが矢切の渡しです。
7ともだちも 自然もあふれる 二十一世紀の森と広場高木小学校加瀬史仁伊藤光一二十一世紀の森と広場松戸市のほぼ中央に位置し、谷津の自然景観を活かした自然の豊かさを享受できる公園です。約50ヘクタールの広さがあります。四季折々、いろいろな動植物が見られます。
8ちからを あわせて作ったよ 野馬徐(のまよけ)の土手高木第二小学校高谷千幸松本美由紀野馬除土手
(のまよけどて)
徳川幕府の野馬放牧場の名残りの土手で、外側に堀を造り、掘った土を盛り上げて土手としたものです。牧馬の逃亡を防いだり、農作物を馬から守るためにつくられました。
9りっしゅんに 祭りはじまる 万満寺馬橋小学校伊原亮仁曽根紀子・新井和代万満寺萬満寺は鎌倉幕府御家人の千葉頼胤(よりたね)が大日寺(だいにちじ)として建立、のちに孫の貞胤(さだたね)の時代に萬満寺と改められました。仁王門に安置されている二体の仁王像は国の重要文化財に指定されています。
10ぬかるみに 桜散り行く 東漸寺小金小学校日比将志小澤佳彦東漸寺鎌倉時代に建立され、江戸時代初期に幕府が定めた関東十八壇林(だんりん=学問所)のひとつとなりました。境内の垂れ桜は樹齢300年以上で、市の天然記念物です。
11るんるんと さくら通(どお)りを かろやかに常盤平第一小学校木村典子岡本圭加さくら通り常盤平を囲んで桜並木が約五㎞にわたって続き、春には約2000本の桜が美しいアーチをつくります。当時の建設省が昭和62年(1987年)度に優れた道路を顕彰する「日本の道百選」に選定されました。
12をさな子(ご)を よぶ声ひびく 常盤平団地常盤平第二小学校安藤 嵩柴田直樹常盤平団地昭和35年(1960年)に完成し、現在167棟、約5000戸あります。松戸市立博物館に、完成当時の団地の生活を知ることができる資料が展示されています。
13わが松戸 煙の出ない 工業団地稔台小学校山下菜穂子長尾美樹工業団地松戸市は1960年代に稔台・北松戸・松飛台の3地区に工業団地を設け工場を誘致しました。このさい「煙を出さない公害のない工業」を条件としたことに特徴があります。
14かささして 雨でも楽しい こども祭り常盤平第三小学校齋藤裕子齋藤裕子こども祭り昭和49年(1974年)子どもたちの健全育成を目的として「松戸市ことも祭り」が始まりました。現在では毎年5月3日に21世紀の森と広場を会場に様々なイベントが行なわれています。
15よっといで 豊作願って 万作(まんさく)踊り上本郷小学校藤田かさね本嶋友加里万作踊り念仏踊りが発祥とされ関東・東北に広く伝わる万作踊りは、市内では上本郷、千駄堀、日暮に伝えられていましたが、現在は保存会に引き継がれ千葉県指定無形民俗文化財に指定されています。
16たからもの みつかるかしら 貝の塚小金北小学校本間めぐみ高田香織貝塚北総台地の縁にあたる松戸市には縄文時代の遺跡が多く、幸田第一公園の幸田貝塚をはじめ多くの貝塚があります。出土品の一部は国指定重要文化財として博物館に収蔵されています。
17れんしゅうしよう みんなで楽しい ユーカリ交通公園根木内小学校新井美香川上 肇ユーカリ交通公園昭和46年(1971年)に開設された、子どもたちが楽しく遊びながら立体交差や十字路、各種交通標識、バッテリーカーなどで、交通ルールを学ぶ公園です。
18そらいろが にあう並木の 小金原栗ヶ沢小学校池守政博金子洋司並木の小金原江戸時代には小金牧と水戸藩の鷹場だった小金原は、1960年代の住宅公団による造成の際に街路ごとに特徴ある植樹がされ、昭和44年(1969年)には小金原団地の入居が始まります。
19つつじ咲く 松戸の春は 花ざかり松飛台小学校小池紘子田中マイケルツツジ昭和48年(1973年)に千葉県で開催された「若潮国体」にちなみ、郷土記念緑化推進運動・花いっぱい運動の一環として市の花に選ばれました。市内各所に植栽があります。
20ねずの番 市民を守る 消防署松ヶ丘小学校岩瀬陽士吉田一穂消防署市内には中央消防署、西口消防署、馬橋消防署、小金消防署、大金平消防署、五香消防署、六実消防署、東部消防署、二十世紀が丘消防署、八ヶ崎消防署と消防訓練センターがあります。
21なつ祭り 浅間神社で 金魚つり柿ノ木台小学校高橋祐嘉遠藤 蘭浅間神社天保4年(1647)年の創建とされる富士山信仰の神社です。山開きの7月1日が例大祭、直後の週末に祭礼行事が行われ露店で賑わいます。神社の森(極相林)は千葉県指定天然記念物です。
22らんまんと 夜空に花咲く 松戸の花火古ヶ崎小学校榎本彩子種谷美和松戸の花火江戸川近くに中心市街地のある松戸では河川敷を用いた花火大会が昭和初期から続いていたそうです。昭和54年(1979年)、15年ぶりに復活してからは8月初旬に開催され多くの人で賑わいます。
23むだはなし 熱を利用の 温水プール六実小学校長田 亮榊原祐一クリーンセンター内
温水プール
クリーンセンターのゴミ焼却の熱を利用して、温水プールがつくられました。(令和2年のクリーンセンター稼働停止により令和6年現在は休業中)
24うぐいすが ホケキョと鳴くよ 千駄堀八ヶ崎小学校苅茂一平清水幸穂千駄堀市の中央部、台地の奥まで入り江が進む谷津という地形と湧水や斜面林に恵まれた市内で最も自然が残る地域です。のちに整備され平成5年(1993年)に「21世紀の森と広場」が開設します。
25ゐなかから 出てきた祖父連れ からくり時計中部小学校倉持佳奈藤井眞知子からくり時計平成2年(1990年)に松戸駅西口デッキに未来と宇宙をイメージして作られ、待合せ場所としても多くの人に利用されていました。現在は撤去されています。
26のびのびと 遊んで楽しい 運動公園寒風台小学校大嶋 恒山部順司運動公園上本郷にあり、野球場、陸上競技場、体育館、武道館などの施設がある公園です。
27おおむかし 海だったんだよ 河原塚河原塚小学校渡辺奈穂子金澤友理子河原塚河原塚中学校に四号古墳、近くの山林に一号古墳があります。一号古墳は縄文時代の貝塚の上に造られており、周辺の谷は縄文時代の中ごろは海だったようです。
28くだものの王様 二十世紀梨は 松戸から和名ヶ谷小学校大戸孝昭吉井和佳子二十世紀梨松戸の梨栽培の歴史は江戸時代から始められ、二十世紀梨は松戸が発祥の地です。大橋消防署近くの二十世紀公園に記念碑があり、市の史跡に指定されています。
29やまざくら ちらちら散るよ 主水池(もんといけ)旭町小学校丸山洋行酒井俊明主水池
(もんといけ)
江戸川堤防下にある池で、江戸時代の江戸川洪水による切所跡といわれています。現在は周辺の自然環境と共に「まこも池緑地」として整備され、ヘラブナ釣りの名所にもなっています。
30まきのはら 少し歩けば 子和清水牧野原小学校堀田雄一長野功典子和清水
(こわしみず)
牧の原団地入口付近の鮮魚街道沿いあった湧水は古くから輸送に携わる人馬の給水に使われてきました。この泉の水を親が飲むとむと酒となり、子が飲むと清水となったという「子和清水伝説」が伝えられています。
31けんがくで 昔がわかる 博物館貝の花小学校内藤安世内藤安世松戸市立博物館平成5年(1993年)4月29日にオープンしました。旧石器時代から現代まで様々な郷土の歴史を学べる体験型博物館です。
32ふるーつの かおり豊かな 金ヶ作自然公園金ヶ作小学校浦辻雄央寺尾知恵・門口妙子金ヶ作自然公園金ヶ作中学校の北側にある林を利用した公園です。周辺には梨園やブドウ園、松戸市の育苗園などがあります。
33こんどまた いっしょに行こうね おはなしキャラバン馬橋北小学校渡辺亜耶乃山岸千夏おはなしキャラバン読書好きな子を一人でも増やそうと昭和五十六年に設立されました。読書の道案内として、人形劇や絵本の見せ語りなどの公演を市内各所で行なっていました。(現在は民間団体が事業を継承)
34えいえんに 残る名園 あじさい寺殿平賀小学校小栁太郎関根一人本土寺
(あじさい寺)
境内には本堂、客殿、像師堂、五重の塔、鐘楼等が建っており、春は桜、夏はアジサイ、花菖蒲、秋は紅葉が見事です。本土寺は市の史跡に指定されており、国や県市の指定文化財が数多くあります。
35てびょうしで 一緒に踊ろう 松戸まつり横須賀小学校原 洋平木羽美帆子松戸まつり十月の第一土・日曜日に松戸駅を中心にいろいろな催し物が繰り広げられ多くの人で賑わいます。
36あせがとぶ 若い力の 鳴門部屋八ヶ崎第二小学校竹上智子大澤典子鳴門部屋八ヶ崎に元横綱隆の里が平成元年に鳴門部屋を設立しました。のちの平成6年(1994年)には元横綱琴桜率いる佐渡ヶ嶽部屋が串崎南町に転入しました。鳴門部屋は平成24年に都内へ移転しました。
37さいぜんを つくして開こん 五香六実六実第二小学校大久保圭剛伊藤 学五香六実
(ごこうむつみ)
明治2年(1869年)、政府の方針で小金牧(こがねまき)、佐倉牧(さくらまき)の開墾が実施され、5番目、6番目に着手されたことから地名ができました。当時840人ほどが入植しました。
38きょうちくとう 緑のはっぱに 赤い花新松戸南小学校青山真沙美浦部陽介きょうちくとう新松戸南小学校と中学校の間の大通りには街路樹にキョウチクトウが植えられています。6月頃から9月頃まで枝先に紅色の花が咲きます。
39ゆいしょある 御立場あとに 照る夕日松飛台第二小学校渡辺大介菅谷宏樹お立場将軍家のお鹿(しし)狩りの際、塚を造り仮御殿を建てたといわれています。現在の五香公園付近にありましたが、昭和15年(1940年)、当時の逓信省松戸飛行場の建設に障害となるため壊されました。
40めに火花 確かに切り傷 地蔵さま上本郷第二小学校本多可奈本多可奈切られ地蔵むかし、上本郷の本福寺(ほんぷくじ)の近くで盆踊りがあったとき、見知らぬ大男が飛び入りで踊り出しました。若者が怒って刀で斬り付けると消えてしまい、翌朝境内の石地蔵に刀傷を見つけ、ひれ伏してあやまったといわれています。市内には幸谷の福昌寺にも斬られ地蔵の伝説があります。
41みと黄門 大蛇封じの 七面神社根木内東小学校畑原聡一郎片 倉 綾 子七面(しちまん)神社小金原二丁目にあり、水戸光圀が大蛇を瓶に封じ祀ったという伝説があります。神像は水戸光圀の手造りといわれています。
42しんまつど けやきトンネル 美しく新松戸北小学校段上和馬小山仁美新松戸昭和48年(1973年)の武蔵野線開通にともない新松戸駅ができました。駅周辺の区画整理事業も行なわれ、高層マンションが建ち並ぶ街となりました。
43ゑびす顔で 見守るしし舞い 胡録神社大橋小学校中井 恵上田 茜・諏訪部幸枝胡録(ころく)神社大橋にあり、毎年10月28・29日に獅子舞が奉納されます。和名ヶ谷の日枝神社、上本郷の風早神社・明治神社の獅子舞とともに三匹獅子舞として市の無形文化財に指定されています。
44ひの煙 害はないのよ クリーンセンター六実第三小学校板東雄三平林秀太クリーンセンターゴミ焼却場とともに体育室、テニスコート、アスレチック、温水プール、多目的広場などスポーツ施設が整っています。(令和2年のクリーンセンター稼働停止により令和6年現在は休業中)
45もう食べたかな おいしい 樋の口こかぶ古ヶ崎南小学校賀澤勝洋渋谷まどか樋野口(ひのくち)こかぶ大正13年(1924年)から栽培し、全国農産物品評会において農林大臣賞を受賞しています。柔らかく甘味に富んでいます。
46せきひとつ だるまがにらむ 幸谷観音幸谷小学校仲間美奈仲間美奈幸谷(こうや)観音幸谷の福昌寺の観音堂に安置されている十一面観音は行基の作と言われ「幸谷観音」として親しまれています。観音堂の前の達磨大師堂には大きなダルマが安置されています。
47すこしでも きれいにしたいね 坂川を新松戸西小学校小幡真弓盛林めぐみ坂川江戸時代の新田開発にあたり水害を防ぐために造られました。現在の新松戸・旭町付近から栗山まで幕府への請願から50年余の歳月をかけて天保7年(1836年)に完成しました。
48京(今日)も行く 夢を広げる 北総線聖徳大学附属小学校泉 晃子松本糸子北総鉄道平成3年(1991年)3月31日に新鎌ヶ谷駅と京成高砂駅間が開通、のち平成12年(2000年)に印旛日本医大駅までの全線が開通しました。松戸市内には松飛台、東松戸、秋山、矢切の4駅があります。

<参考> 「松戸のかるた」掲載場所(Googleマップ)

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